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2017 年度 実績報告書

豚精巣リラキシン様蛋白の生殖細胞の抗アポトーシスおよび成熟因子としての機構解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K07691
研究機関静岡大学

研究代表者

高坂 哲也  静岡大学, 農学部, 教授 (10186611)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードRLF/INSL3 / RLF不活性化 / 精子受精能 / cAMP/cGMP / 精子障害モデル
研究実績の概要

1.精子成熟過程における精子運動能の付与に及ぼすRLF不活性化の影響: RLF(INSL3)抗体をブタに受動免疫したRLF不活性化モデルで、精子運動能の付与に及ぼす影響を調べた。22週齢(春機発動)の雄豚を用いて38週(成熟)までRLF抗体を2週毎に9回投与し、RLF不活性化を図った。その結果、RLF不活性化は精液量に影響を及ぼさなかったが、精子濃度や精子運動能の有意な低下をもたらした。さらに、精子性状にも違いがみられ、正常精子の割合が減少する一方で、死滅精子が増加していた。このことから、RLFは精子成熟段階の運動能付与に重要であることが明らかとなった。

2.ブタ精子の受精能に対するRLFの関与の検証: 精子の受精能とは、精子の超活性化、受精能獲得、先体反応、卵との接着・融合、前核形成、胚発生に至るまでのプロセスを左右する精子の能力を指す。本研究では、体外受精系を用いて卵へ侵入するまでの精子の能力に及ぼすRLFの影響をCASAによる運動能生解析、CTCによる受精能解析およびcAMP/cGMP測定による細胞内シグナリングの3方面から検証した。その結果、RLFはブタ精子の細胞内cAMPの上昇を導くものの、受精能獲得にはあまり関与せず、卵との接触・融合に関与する可能性を示唆した。

3. 夏季不妊を模倣した精子障害モデルブタ精子の構築とRLF添加の影響: 実施年度が冷夏であったため、急遽、夏季不妊の主要因である酸化ストレスを実験的に誘起させて夏季不妊を模倣した精子酸化ストレス障害モデルの構築み切り替えて実施した。クメンヒドロキシペルオキシド、硫酸鉄(II)とアスコルビン酸を用いて障害を誘起し、脂質過酸化物質マロンジアルデヒドを測定することにより検証した。この精子障害モデルブタ精子へのRLFの添加では、精子障害の低減能を示さないことが判明し、RLFは夏季不妊に効果のないことがわかった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Evidence for the role of INSL3 on sperm production in boars by passive immunisation.2018

    • 著者名/発表者名
      Minagawa I, Murata Y, Terada K, Shibata M, Park EY, Sasada H, Kohsaka T.
    • 雑誌名

      Andrologia

      巻: 50 ページ: e13010

    • DOI

      10.1111/and.13010.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Insulin-like peptide 3 expressed in the silkworm possesses intrinsic disulfide bonds and full biological activity.2017

    • 著者名/発表者名
      Miyazaki T, Ishizaki M, Dohra H, Park S, Terzic A, Kato T, Kohsaka T, Park EY.
    • 雑誌名

      Sci Rep

      巻: 7 ページ: 17339

    • DOI

      10.1038/s41598-017-17707-1.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 受精におけるブタ卵胞液由来INSL3の精子側での作用2018

    • 著者名/発表者名
      飯塚真大・皆川至・山崎美悠・高橋綾乃・Ali M Pitia・佐々田比呂志・橋爪一善・高坂哲也
    • 学会等名
      日本畜産学会
  • [学会発表] 脂質過酸化を誘起させたブタ精子におけるリラキシンの影響2017

    • 著者名/発表者名
      高坂哲也・高橋綾乃・山崎美悠・飯塚真大・村田陽子・皆川至・佐々田比呂志
    • 学会等名
      日本畜産学会
  • [図書] Recent advances in research on the hormone INSL3 in male goats (In: Goat Science)2018

    • 著者名/発表者名
      Kohsaka T, Siqin, Minagawa I, Sasada H (編者:Sandor Kukovics)
    • 総ページ数
      24 (執筆頁)
    • 出版者
      InTechOpen, London, UK
    • ISBN
      978-1-78923-202-8

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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