本研究では、ブタ精巣で発現するリラキシン様蛋白(RLF)(insulin-like factor 3、INSL3とも呼ぶ)の作用機構について、抗体により内因性RLFを不活性化(中和化)したブタを作製して究明した。不活性化モデルブタでは、生殖細胞のアポトーシスが4倍増加し、BAXの発現増加、BCL2の発現減少をもたらし、CASP3発現を活性化した。精子性状の変化に加え、精子運動能や濃度を低下させた。以上、RLF不活性化(中和)は生殖細胞のアポトーシス増加と精子性状の低下を導き、RLFが生殖細胞の抗アポトーシス・成熟因子として機能することを示唆する。
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