本申請は、ウシ着床期周辺胚に発現する内在性レトロウイルスを探索し、胎盤形成に有用な内在性レトロウイルス遺伝子の機能解析をすることを目的とした。その結果、ウシ胎盤に高発現するBERV-K3を見出した。BERV-K3は胎盤形成に必要な古典的WNTシグナルにより、その発現が誘導されることが明らかとなった。また、X染色体やY染色体に存在する内在性レトロウイルスも見出し、これらは着床前のウシ胚に特異的に発現していることを明らかにした。これらの研究成果は、ウシの妊娠過程において内在性レトロウイルスの関与を示す重要な発見となり、新たな高受胎胚の選別のための候補因子となりうる可能性があることが分かった。
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