今後の研究の推進方策 |
SNP情報を利用したゲノム関係行列の逆行列を組み込んだ改良目標型選抜法サブルーチン副プログラムを開発する。選抜候補個体の中から次世代の種畜を選抜するための改良目標型選抜法プログラムは、(1)Quaasら(1976)が提唱した制限付きBLUP法、(2)Satoh(2004)が提唱した制限付きBLUP法,、(3)改良目標から経済的重み付け値を逆算する方法(Satohら, 2000)、(4)線形計画法を適用した交配組み合わせ法(佐藤, 2007)の4種類の選抜法に対応するものとする。 また、平成29年度までに、豚の親世代(第2世代)および子世代(第3世代)における経済形質の記録、血縁情報およびSNP情報を収集する。SNP情報を利用した場合と利用しない場合において、シミュレーションプログラムにより、改良目標型選抜法による選抜反応や近交度の上昇率等を比較し、それぞれの得失を明らかにする。さらに、SNP情報は①腹内子豚から選抜候補豚を選抜する場合と、②選抜候補豚から種豚を選抜する2通りの利用法が考えられる。そこで、コンピュータシミュレーションにより両者を比較し、効率的な利用法を明らかにする。加えて、収集した豚の3世代にわたる継代記録とSNP情報を用いて、SNP情報を利用した場合と利用しない場合において改良目標型選抜法により仮想選抜を行ったときの改良効果を、子世代(第3世代)の能力によって比較検証する。
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