放牧飼養する日本短角種において血液性状、筋線維型構成、脂肪滴含有筋線維、CD36の割合、筋形成および脂肪酸代謝因子の発現を解析した。放牧飼養では血中NEFA濃度が増加すること、脂肪滴含有筋線維の筋線維型はⅠおよびⅠD型筋線維で、CD36は時期および飼養管理に関わらず全体の20%で発現し、ⅠおよびⅠD型で発現することが明らかとなった。また、筋形成因子の発現に明確な変動はなく、脂肪酸代謝因子は増加する傾向が観察された。以上より、放牧飼養する日本短角種では血中由来のNEFAがCD36を介してⅠおよびⅠD型筋線維に取り込まれ、筋線維内の脂肪酸合成も促進されることで脂肪滴が蓄積される可能性が示唆された。
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