研究課題
本研究では、蚊媒介性ウイルス感染症の迅速な診断法の確立、及び媒介蚊からウイルスを効率的に検出する方法を確立することを目的としている。H30年度は、これまでに確立したフラビウイルス、フレボウイルス、アルファウイルスを広範囲に検出する各種one-step RT-PCR法を用いて、昨年度に新たに採集したザンビアの野外生息蚊のウイルススクリーニングを継続した。さらに本スクリーニング法を用いてウエストナイルウイルスをザンビアにおいて初めて検出した結果を受けて、ザンビア国内の熱性疾患患者から得られた血清検体を用いて、RNAを抽出し、本検査法に用いた広範囲なアルボウイルス遺伝子検査に加えて、これまでに構築したウイルス特異的real-time RT-PCRアッセイ系(ウエストナイルウイルス, ジカウイルス、黄熱ウイルス、リフトバレー熱ウイルス)を用いてアルボウイルス検査を実施した。また、野外採集蚊から遺伝子情報が不明な新規ウイルスを次世代シークエンサーを用いて同定するために、蚊由来total RNAからフラビウイルス、ブニヤウイルス、二本鎖RNAウイルス等のRNAウイルスゲノムが持つ高次構造を利用し、効率的にウイルスRNAを濃縮する方法を検討した。この方法によりライブラリーを調整し、次世代シークエンサーで解析した結果、未知ウイルス配列のリード数が増加し、新規ウイルスを効率的に同定することが可能であった。
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Virus Res
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http://www.czc.hokudai.ac.jp/pathobiol/