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2017 年度 実績報告書

非神経細胞に発現する侵害受容器の炎症病態に対する役割解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K07721
研究機関鳥取大学

研究代表者

高橋 賢次  鳥取大学, 農学部, 准教授 (00400143)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード侵害受容器 / TRPA1チャネル / TRPM8チャネル / 非神経細胞 / 炎症 / サイトカイン / メントール
研究実績の概要

平成29年度は、非神経細胞に発現する侵害受容器の反応性について検討した。ペパーミントに含まれるメントールは清涼感をもたらす香気成分であり、冷温感知受容器であるTRPM8チャネルのアゴニストとして知られている。メントールはアロマオイルとして広く用いられており、肺に吸引されるが知覚神経のほか非神経細胞に対する作用は明らかとなっていない。そこで、肺のモデル細胞として肺がん細胞A549を用い、メントールによる応答を解析した。A549細胞は、mRNAおよびタンパク質レベルでTRPM8の発現が見られた。A549細胞にメントールを適用すると細胞内Ca増加反応が生じた。この反応は0.3 mMの濃度では10%程度の反応性であったが、3 mMになるとほぼ全ての細胞で反応が見られた。低濃度側の反応は、TRPM8チャネルの阻害薬では抑制されず、TRPA1の阻害薬で抑制された。メントールはTRPA1チャネルのアゴニストとしても作用することが知られ、メントールはA549細胞に対してTRPA1チャネルに作用することが明らかとなった。しかしながら、高濃度側の反応はTRPA1チャネルの阻害薬でも抑制されなかった。高濃度側の反応は、細胞外Caを除去しても抑制されることがなく、細胞内Caストアの枯渇によって抑制されたことから、細胞内Caストア由来の反応であることが明らかとなった。高濃度のメントールを適用すると1時間程度で細胞死が誘発された。以上の結果から、A549細胞に対して、メントールはTRPA1チャネルに作用し細胞内Ca増加反応を引き起こし、より高濃度になるとTRPA1チャネル非依存的に作用し、細胞毒性に至ることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Involvement of nociceptive transient receptor potential channels in repellent action of pulegone.2018

    • 著者名/発表者名
      Majikina A, Takahashi K, Saito S, Tominaga M, Ohta T.
    • 雑誌名

      Biochem Pharmacol

      巻: 151 ページ: 89-95

    • DOI

      10.1016/j.bcp.2018.02.032.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Membrane translocation of transient receptor potential ankyrin 1 induced by inflammatory cytokines in lung cancer cells.2017

    • 著者名/発表者名
      Takahashi K and Ohta T.
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun.

      巻: 490 ページ: 587-593

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2017.06.082.

    • 査読あり
  • [学会発表] メントールによるヒト肺がん由来細胞A549の細胞増殖抑制作用2017

    • 著者名/発表者名
      高橋賢次
    • 学会等名
      第160回日本獣医学会

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公開日: 2018-12-17  

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