侵害受容器TRPA1チャネルは非神経細胞にも発現するが、その調節メカニズムは明らかとなっていない。本研究では、TRPA1を内因性に発現する肺がん由来細胞A549を用い、炎症性サイトカインであるIL-1αの作用について検討した。IL-1αは濃度および時間依存的にTRPA1の反応性を増加した。この増強反応はextracellular-regulated kinase(Erk)阻害薬で抑制された。IL-1αはTRPA1タンパク質の細胞膜表面への移行を増加した。以上の結果から、A549細胞において、IL-1αはErkの活性化を介してTRPA1の膜移行を誘発し、TRPA1反応を増強することが示唆された。
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