アライグマは人や家畜のエリアに侵入するため野生動物や人畜の病原体を伝播する病原巣になる可能性がある。本研究は、人獣共通感染症であるインフルエンザAウイルスの北海道のアライグマにおける感染状況を明らかにすることを目的とした。アライグマの胃内容物に牛飼料が含まれていたことから牛舎への侵入が確認された。ELISAを用いたインフルエンザウイルス抗体検査から、1,520頭のアライグマの1.7%で高いOD値が検出され、インフルエンザウイルス感染が示唆された。また、4頭からウイルス遺伝子が検出された。以上、アライグマは自然界においてインフルエンザウイルスの病原巣としての役割を果たす可能性が示唆された。
|