| 研究課題/領域番号 |
15K07743
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| 研究機関 | 岐阜大学 |
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研究代表者 |
高島 諭 岐阜大学, 応用生物科学部, 助教 (70734664)
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| 研究分担者 |
西飯 直仁 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (20508478)
柴田 早苗 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (20588917)
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| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| キーワード | アミノ酸輸液 / 全身麻酔 / 体温低下軽減 / ネコ / インスリン |
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| 研究実績の概要 |
ヒトやイヌにおいて、アミノ酸輸液は全身麻酔時の体温低下を軽減することが知られている。全身麻酔は動物の体温を低下させるが、体重あたりの体表面積の比較的大きいネコは他の動物よりも放熱しやすいため、麻酔時の体温低下の防止により努めなければならない動物である。また、ネコは他の動物種と異なりアミノ酸を主なエネルギー源の一つとする完全肉食動物である。そのことは、ネコのアミノ酸投与に対する生理的な反応性が他動物よりも高いことを意味し、アミノ酸輸液による麻酔下の体温低下防止効果がヒトやイヌにおけるものより大きくなる可能性を示す。そこで、全身麻酔中のネコにさまざまな投与濃度でアミノ酸輸液を実施し、体温変化に与える効果を検討した。
投与する輸液は、10%総合アミノ酸輸液製剤と酢酸リンゲル液を用いて調整し、全身麻酔導入の前後1時間（計2時間）実施した。アミノ酸輸液の投与量は、0 g/kg/hr、0.5 g/kg/hr、0.75 g/kg/hr、1.0 g/kg/hrとし、実施する投与量の順番は無作為に決定した。全身麻酔は1時間とした。観察期間中には定期的に体温、心拍数および呼吸数を測定し、輸液直前、1時間後（麻酔導入直前）、2時間後（輸液および麻酔終了時）、2.5時間後および3時間後に採血した。採血した血液から血漿を分離し、血漿インスリン濃度と血糖値を測定した。
ネコの全身麻酔中に見られる体温低下は、輸液するアミノ酸濃度依存性に軽減された。また輸液中の血漿インスリン濃度もアミノ酸輸液の濃度依存性に高かった。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
全身麻酔下のネコへの「アミノ酸輸液条件の最適化」について実験した。この計画については予定通り進捗している。いっぽう、培養ネコ骨格筋細胞を用いた「アミノ酸輸液による熱産生メカニズムの解明」については、実験条件の設定に時間を要したためにやや進捗が遅れている。
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| 今後の研究の推進方策 |
「アミノ酸輸液条件の最適化」については、研究内容がまとまり次第、学会発表および論文報告する予定である。また、「アミノ酸輸液による熱産生メカニズムの解明」については、培養ネコ骨格筋細胞を用いてインスリンやアミノ酸自身によるタンパク質合成促進に由来した代謝亢進、または脱共役タンパク質などの熱産生関連分子の関与について評価する予定である。さらに、培養ネコ骨格筋細胞を用いて「熱産生に関わるアミノ酸の選定」に取り組む予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
培養ネコ骨格筋細胞を用いた「アミノ酸輸液による熱産生メカニズムの解明」に関して、当初の予定通り進捗しなかったために次年度使用額が生じた。実験に使用する資材（培地や抗体など）の使用期限が短いことから、環境整備終了に先行した購入ができなかった。
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| 次年度使用額の使用計画 |
培養ネコ骨格筋細胞を用いた実験の基本条件の整備が完了したため、次年度使用額を含めた平成28年度使用額は、細胞培養に必要な資材の購入、またウエスタンブロッティングやリアルタイムRT-PCRに必要な資材の購入に充て、研究を推進する。
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