研究課題
本研究課題では、ニワトリ精子膜ラフトの受精機構分子基盤における機能的役割について検討し、以下のような成果が得られた。申請者は膜ラフトのニワトリ精子―卵結合への関与を調べた結果、膜ラフト特異的に発現している60 KDaの新規分子が卵への結合能を有すことが分かった。さらに膜ラフトの機能を網羅的に同定するため、相対定量プロテオミクスを実施した結果、82分子が膜ラフトに特異的あるいは豊富に存在することが分かった。プロテオームデータを基盤とした鳥類精子受精機能のボトムアップ型解析を進めるため、まず膜ラフトの先体反応における役割を調べた。その結果、膜ラフトは可溶性および膜貫通型AC活性を制御することでPKA経路を介し、先体反応誘起に関与することが分かった。さらに、先体反応機構におけるグルコース代謝の役割を調べた結果、Glucose Transporter (GLUT) 3は先体部および尾部に局在し、膜ラフトと極めて強い親和性を示すことが分かった。また、グルコースは膜ラフト上のGLUTを介して取り込まれ、AMPKを活性化することで先体反応を促進することが分かった以上の基礎的知見を元に新たな鳥類精子凍結保存法の構築に取り組んだ。その結果申請者は、ニワトリ精子において凍結保存に伴う受精障害は、ステロール流出により膜ラフトが崩壊した結果、アポトーシスが促進されることに因ることを報告した。この結果に基づき、ニワトリ精子に種々のステロールを充填すると、凍結融解後の受精能低下を阻止できることを報告した。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件)
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