研究課題/領域番号 |
15K07764
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
金田 正弘 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (80469840)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | エピジェネティクス / DNAメチル化 |
研究実績の概要 |
本年度はさらなる体細胞クローン牛および後代牛のサンプル収集を行った。と殺されたあるいは死亡した体細胞クローン牛・後代牛から心臓・肺・肝臓・腎臓・脾臓・小腸・大腸・骨格筋の一部を採取し、ゲノムDNAを抽出した。 また、体細胞クローン牛間の遺伝子発現の差異に着目し、末梢白血球から抽出したRNAを用いて、Agilent社のマイクロアレイを用いた解析を行った。その結果、30,000以上のプローブを検出することができ、個体間で発現が2倍以上上昇している1,225プローブ、0.5倍以下に低下している810プローブ、さらにSwitch ON型(片方で発現が検出されず、もう片方で発現が5倍以上に上昇している)359プローブ、Switch OFF型(片方で発現が検出され、もう片方で0.2倍以下に発現が低下した)153プローブを同定することができた。これらの遺伝子は代謝に関するもの、膜貫通側タンパク質、インターロイキンなど多くの種類に分類された。これらの遺伝子について、これまでのメチル化解析のデータとの照合を行い、メチル化の変化により遺伝子発現が変動している遺伝子群を同定している。 さらに、メス特異的に発現するXIST遺伝子のメチル化状態に着目し、XISTプロモーター領域のバイサルファイトPCRを行い、メチル化レベルを解析したところ、2頭の体細胞クローン牛(メス)の末梢白血球においてそれぞれ80.6%, 61.2%と非クローン牛(メス、47.0%)に比べて有意に高いメチル化レベルを示したことから、X染色体上の遺伝子についてのメチル化および遺伝子発現解析を優先的に行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度はさらなるサンプル数の増加につとめ、またマイクロアレイ解析を行うことで、実際にメチル化の変化により遺伝子発現が変動しているかどうかについての解析を行った。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は最終年度であり、これまで収集した全てサンプルについて個々の遺伝子に絞ったメチル化解析実験を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度はサンプル収集とマイクロアレイ解析のみを行い、次年度にこれまで得られた全てのサンプルについてのDNAメチル化解析実験を行うため。
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次年度使用額の使用計画 |
DNA抽出キット、バイサルファイト変換キット、PCR酵素、クローニング用ベクター・大腸菌、シーケンス外注費用、パイロシーケンス用試薬、その他分子生物学的実験を行うための試薬代、成果を公表するための論文英語校閲費用、学会誌投稿料、成果を発表するための国内学会参加費・旅費、これらについて次年度使用額を用いる。
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