下垂体は脳の直下に位置する内分泌小器官で、申請者らは、下垂体特異的転写因子PROP1と新規下垂体転写因子PRXsに着目して研究を進めてきた。本研究期間に、PROP1遺伝子の発現調節機構を解析し、1)多数の因子の作用領域がプロモーター上流にあること、2)この遺伝子のメチル化が発生初期に発現に部分的に関与していること、3)PROP1遺伝子が初期の下垂体原基でレチノイン酸の制御を受けること、4)PRX1とPRX2陽性の下垂体細胞が下垂体毛細血管形成に機能していること、5)PRXsを発現するTtT/GF細胞はTGFβによりペリサイト様の遺伝子発現をする未分化性を持つこと、などの成果を挙げた。
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