研究課題/領域番号 |
15K07775
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
室谷 進 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産研究部門 畜産物研究領域, ユニット長 (50355062)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | miR-196a |
研究実績の概要 |
28年度は、miR-196aのin situ hybridizationによる検出の条件、miR-196aの局在箇所の特定のために筋細胞や脂肪細胞のマーカータンパク質の検出条件を確立することをめざした。in situ hybridizationについては、現在までにU6snRNAをポジティブコントロールとしネガティブコントロールを併用しながら最適な検出条件について模索中である。組織切片の作製、固定、in situ hybridization前処理についてはほぼ条件を決定した。一方、筋組織中のマーカータンパク質の検出については、Pax7、C/EBPα、PRDM16等の市販抗体が有用であることを確認し、その検出条件を確立した。miR-196aの発現箇所として想定される褐色脂肪細胞は、mRNA発現解析アレイによるデータでUCP1の発現が筋組織に認められなかったことから、筋組織中には存在しない可能性が高いと考えられた。また、参考として黒毛和種牛の筋組織試料を用い、RT-PCRおよびマイクロアレイによりmiR-196aの発現を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
in situ hybridizationについては、現在はU6snRNAをポジティブコントロールとしネガティブコントロールを併用しながら最適な検出条件について模索している段階だが、組織切片のin situ hybridization前処理についてはほぼ条件を決定しており、miR-196aの検出条件の確立に向けて研究は進展している。一方、筋組織中のマーカーの検出について、Pax7、C/EBPα、PRDM16等の検出条件を確立したことから、myosin heavy chain isoformとあわせて筋組織におけるmiR-196aとの多重染色に向け、研究は順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
29年度は、引き続きin situ hybridizationによる筋組織でのmiR-196aの検出条件の決定に取り組み、最終的に速筋、遅筋におけるmiR-196aの発現差異を組織で確認するとともに、発現箇所の特定をめざす。具体的には、in situ hybridizationにおいて組織のプロテアーゼ処理、hybridizationの温度やバッファー組成・濃度について、さらに詳細を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度は、in situ hybridization実験において、ターゲットプローブのhybridization条件の検討をほとんど実施せず試料の前処理の検討の重点的に検討したため、プローブや関連試薬等の高価な試薬を購入することが少なかった。このため、その分だけ当初よりも支出が少なかかった。また、hybridizationの結果公表をめざした国際学会の参加について、未だそのデータが得られていないため、このデータ発表に関する予算の執行を控えた。以上により、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
国際学会の発表については、再来年度のin situ hybridization結果の公表をめざす。そのため、in situ hybridizationの最終段階までの条件を今年度中に決定し、ターゲットプローブの検出のためにプローブ等の購入に次年度使用額の一部を充てる。計画が大幅に遅れるような場合は、受託解析による検出についても検討する。
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