研究課題/領域番号 |
15K07775
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
室谷 進 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産研究部門, ユニット長 (50355062)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ウシ骨格筋 |
研究実績の概要 |
ウシ骨格筋を試料としたmivroRNAのin-situハイブリダイゼーションについて、凍結保存した骨格筋組織の切片を作製し、目的のmicroRNA検出の条件検討を行った。ProteinaseKによる前処理後、ハイブリダイゼーション工程の温度および時間、洗浄工程のバッファー組成や温度、時間について設定を変えながら各種条件を検討してきたが、これまでに良好な結果が得られていない。ProteinaseK処理の有無についても検討したが、検出は改善されなかった。ウシ骨格筋試料の入手が困難だったこともあり条件の改善が進まなかった。一方、目的のmicroRNAの標的遺伝子であるHox遺伝子群の一部について、免疫組織化学染色を行いタンパク質レベルでの発現を確認した。これらの遺伝子発現はマイクロアレイ解析等で発現の差異を確認した。しかし、その他の一部標的遺伝子についてはmicroRNAの制御下にあるとされている場合でも発現が低レベルであったこと、または有意な速筋-遅筋間での差が認められなかったもあり、ターゲットとしたmicroRNAが骨格筋中で果たす役割についてはこれまでの仮説と異なる可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
in-situハイブリダイゼーションについて各種条件を検討してきたが、これまでに良好な結果が得られず、引き続きさらなる条件または検出方法の変更を検討しているため。また、網羅的遺伝子発現解析による速筋・遅筋間比較の結果、miR-196aの制御下にあると考えられる遺伝子の発現に有意な差がみられなかったことから、実験計画の一部見直しを要したため。
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今後の研究の推進方策 |
これまでは先行知見にしたがい凍結切片を用いて前処理およびハイブリダイゼーションを行ってきた。今後は凍結切片を用いる代替法として切片をパラフィン包埋処理し、ハイブリダイゼーションを行う方法も検討する。miRNAの発現に関する仮説についても再検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
ウシ骨格筋におけるmiRNAのin situ ハイブリダイゼーションについて条件を検討してきたが、ウシ骨格筋試料の入手が困難だったこと等から進捗が多少遅れた。また、遺伝子発現解析マイクロアレイ解析の結果からmiRNAの標的遺伝子発現が仮説と異なり、計画の再検討を行い実験を控えて次年度に計画を改めたことより、次年度使用額が生じた。2018年度には、ハイブリダイゼーションの実験を外部委託することも含めて検討し、効率的な実験計画の遂行と結果取得に努める。
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