• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実績報告書

加齢に伴う妊娠機構破綻の分子機序:インフラマソーム機構の関与の可能性

研究課題

研究課題/領域番号 15K07783
研究機関東京農業大学

研究代表者

白砂 孔明  東京農業大学, 農学部, 准教授 (20552780)

研究分担者 岩田 尚孝  東京農業大学, 農学部, 教授 (50385499)
桑山 岳人  東京農業大学, 農学部, 教授 (40215124)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード加齢 / 炎症 / 免疫 / 妊娠
研究実績の概要

近年の社会情勢やライフスタイルの変化に伴い、30代後半で挙児を希望する女性が増加し、出産年齢の高齢化が進んでいる。申請者らは、妊娠成立には卵子の質的改善に加えて母体環境の整備が重要であり、母体加齢によってその環境が破綻している可能性を考えた。
卵管は受精の場や初期発生の場として妊娠に有用な“器官”である。屠畜場由来の若齢および老齢ウシ由来の卵管細胞を使用し、次世代シーケンサーを用い、老化に伴う遺伝子発現群の変化を網羅的に解析した結果、老齢由来の卵管細胞は若齢由来の卵管細胞に比べてコラーゲン合成遺伝子群の発現が低く、炎症関連遺伝子群の発現が高かった。また、若齢と比較して老齢ウシ由来の卵管細胞は、絨毛の運動率・細胞増殖率が低下し、炎症性サイトカイン産生・活性酸素量・細胞硬化度が増加した。以上から、老齢由来の卵管細胞は細胞運動・増殖機能が低下することに加え、炎症状態に陥りやすいことが考えられた。
子宮は受精卵の着床、胎盤形成および胎児発生に重要な器官である。屠畜場由来の若齢および老齢ウシ由来の子宮内膜細胞を使用し、次世代シーケンサーを用い、老化に伴う遺伝子発現群の変化を網羅的に解析した結果、老齢由来の子宮内膜細胞は若齢由来の細胞に比べてインターフェロンシグナルや炎症関連遺伝子発現が高いことが分かった。
加齢ウシ卵管細胞において炎症関連因子S100A9が上昇することを見出したことから、機能解析を行った。その結果、S100A9を処理すると①精子生存性が低下する、②体外受精には影響しない、③初期胚発生中に細胞内小胞体ストレスを増加させることで発生が停止する、④卵管上皮細胞の炎症を惹起することなど、様々な影響を及ぼすことが判明した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Age-related changes in the bovine corpus luteum function and progesterone secretion.2019

    • 著者名/発表者名
      Hori K, Matsuyama S, Nakamura S, Iwata H, Kuwayama T, Miyamoto A, Shirasuna K
    • 雑誌名

      Reproduction in Domestic Animals

      巻: 54 ページ: 23-30

    • DOI

      doi: 10.1111/rda.13303

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Oxygen concentration modulates cellular senescence and autophagy in human trophoblast cells2018

    • 著者名/発表者名
      Seno K, Tanikawa N, Takahashi H, Ohkuchi A, Suzuki H, Matsubara S, Iwata H, Kuwayama T, Shirasuna K
    • 雑誌名

      American Journal of Reproductive Immunology

      巻: 79 ページ: e12826

    • DOI

      doi: 10.1111/aji.12826

    • 査読あり
  • [学会発表] 加齢がウシ卵管上皮細胞の細胞老化や加齢性炎症に及ぼす影響2018

    • 著者名/発表者名
      中村悠稀, 市川遥翔,水野佳穂,岩田尚孝,桑山岳人,白砂孔明
    • 学会等名
      第110回日本繁殖生物学会
  • [学会発表] ウシ末梢血多核球と単核球におけるIFNT応答性と作用の比較検討2018

    • 著者名/発表者名
      鬼沢優里,江口空,舟島なつみ,作本亮介,坂上信忠,岩田尚孝,桑山岳人,白砂孔明
    • 学会等名
      第110回日本繁殖生物学会
  • [学会発表] ウシ脾臓細胞におけるインターフェロンτの免疫細胞分化誘導の可能性の検討2018

    • 著者名/発表者名
      江口空,鬼沢優里,舟島なつみ,宗像祥久,作本亮介,坂上信忠,岩田尚孝,桑山岳人,白砂孔明
    • 学会等名
      第110回日本繁殖生物学会

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi