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2017 年度 実績報告書

睡眠障害モデルマウスをプラットフォームとした包括的ストレス疾患改善の基盤研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K07788
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

宮崎 歴  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究グループ長 (70358125)

研究期間 (年度) 2015-10-21 – 2018-03-31
キーワードストレス / 睡眠障害 / サーカディアンリズム / モデル動物 / メンタルシンドローム
研究実績の概要

平成28年度の研究成果により、慢性的ストレスを負荷したマウスにおいては、睡眠リズムの障害のみならず、体のいずれかの組織において炎症があることや脳内における酸化ストレスの発生がアルツハイマー発症に憎悪因子として働くことを示唆するデータが得られていた。ストレスにより惹起される炎症として、ストレス性大腸過敏症や大腸炎などである。そこで平成29年度はPAWWストレス負荷マウスにおいて消化器系への影響を評価する為に、ギガシークエンサーによる腸内フローラの網羅的解析を行い、そのバイオームの構成や定量的解析を行った。その結果、ストレスを誘導することのよりその構成を大きく変えることが分かった。その変化は、ストレス負荷2週間ほどから認められるようになり、4-6週間で変換が完了することが分かった。これらの変化を示すバクテリア群について、今後ストレス評価のためのマーカーになる可能性がある。
また、神経変性疾患にかかるストレス性睡眠障害の影響を今年度はパーキンソンモデルマウスで検証した。その結果、アルツハイマー病と同様にパーキンソン病においても、PAWWによる睡眠障害が発症を促進する影響を及ぼす可能性が示唆された。さらに、ストレスと炎症が相互に影響を与える可能性があることから、炎症を改善することでストレス緩和効果が認められる可能性がある。また、抗炎症性を持つ物質が経験的にサーカディアンリズムなどの神経系支配行動に影響を与えるデータが多いことから、抗炎症効果を持つ物質をキノコ類、食用性植物より単離してサーカディアンリズムへの影響や抗炎症活性をもつ物質の探索を行った。その結果、アガリスクに含まれるリノール酸が抗炎症効果を持つことやある植物Xの抽出物がリズムや抗炎症性を持つことを見出し、今後は植物X由来の抽出物やリノール酸などのストレス性睡眠障害モデルマウスへ投与しその効果をみる準備が整った。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2017 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)

  • [国際共同研究] TISTR(Thailand)

    • 国名
      タイ
    • 外国機関名
      TISTR
  • [国際共同研究] Wageningen University(オランダ)

    • 国名
      オランダ
    • 外国機関名
      Wageningen University
  • [雑誌論文] Chronic sleep fragmentation exacerbates amyloid deposition in Alzheimer’s disease model mice2017

    • 著者名/発表者名
      Eiko N. Minakawa, Koyomi Miyazaki, Kazushi Maruo Hiroko Yagihara, Hiromi Fujita, Keiji Wada, Yoshitaka Nagai
    • 雑誌名

      Neuroscience letter

      巻: 653 ページ: 362-369

    • DOI

      10.1016/j.neulet.2017.05.054

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] The anti-inflammatory effect of Agaricus brasiliensis is partly due to its linoleic acid content.2017

    • 著者名/発表者名
      Papawee Saiki, Yasuhiro Kawano, Van Griensven LJLD, Koyomi Miyazaki.
    • 雑誌名

      Food Function

      巻: 8 ページ: 4150-4158

    • DOI

      10.1039/c7fo01172e

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 中途覚醒の増加はアルツハイマー病モデルマウスのアミロイドβ病理を悪化させる2017

    • 著者名/発表者名
      皆川栄子、宮崎歴、丸尾和司、八木原紘子、藤田寛美、和田圭司、永井義隆
    • 学会等名
      日本睡眠学会第42回定期学術集会
  • [学会発表] 天然化合物のパワーを生かしたこころとからだを守る技術の開発2017

    • 著者名/発表者名
      宮崎歴
    • 学会等名
      第1回沖縄県産学官連携セミナー
  • [学会発表] Bioassay of Functional Food Development for Circadian Rhythm and Sleep Disorder2017

    • 著者名/発表者名
      Koyomi Miyazaki
    • 学会等名
      TISTR and AIST Mini Joint Symposium
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Circadian oscillation of luminescence in testis explants from Per2::luc mouse2017

    • 著者名/発表者名
      Hideaki Oike, Nanako Itoh, Koyomi Miyazaki
    • 学会等名
      XV European Biological Rhythms Society Congress
    • 国際学会

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公開日: 2018-12-17   更新日: 2022-08-19  

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