研究課題
これまでは多角体タンパク質を発現する組換えバキュロウイルスと多角体(プロテインモジュール)に内包化するタンパク質(目的タンパク質)を発現する組換えウイルスを同時に培養細胞に感染させ、このプロテインモジュールを作製してきた。この場合、内包化される目的タンパク質は、主にプロテインモジュールの表面に限られていた。しかし、目的タンパク質を発現する組換えウイルスを予め接種しておき、その15~20時間後に多角体タンパク質を発現する組換ウイルスを接種した場合、プロテインモジュールの内部にまで目的タンパク質が内包化されることが分かった。これにより、プロテインモジュール内へのタンパク質の内包化を格段に向上させることができた。この成果は、プロテインモジュールの内層と外層に別々のタンパク質を内包化させることも可能であることを示唆しており、今後のプロテインモジュールの活用に大きな意義をもたらすものと考えられる。さらに、本研究では、トランスポゾンpiggyBacを用いたカイコの遺伝子組換えにより、カイコの後部絹糸腺及び中部絹糸腺で、線維芽細胞増殖因子FGF-7を内包化したプロテインモジュールの作製を行った。その結果、FGF-7をプロテインモジュールに内包化した場合、両絹糸腺をテグスに加工した場合、その失活を防ぐことができ、実際に得られたテグスはヒト正常角化細胞の増殖を誘導した。
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