PC12細胞は、神経成長因子 (NGF) に反応して、交感神経細胞様に分化する。このため、神経細胞分化のモデルとして広く使用されている。NGF固定化多角体をコラーゲンコートしたカバーガラスにスポットし、その上でPC12細胞を培養した所、PC12細胞は多角体スポット周縁部に沿って軸索状の突起を伸ばし、整列することが分かった。NGF多角体スポット周辺には、可溶性のNGFではなしえなかったPC12細胞を分化と整列に導くNGFの濃度勾配が形成されていた。本研究により、多角体を用いることで、サイトカインが保持され分泌される生体内の微小環境、つまり細胞外マトリックスを模倣することが出来ると示唆された。
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