研究課題
Odontomachus monticola毒液のペプチドーム解析を進め、MS/MSにより主要なペプチド系毒素(Pilosulin-like peptide 1-6)のアミノ酸配列を決定したところ、トランスクリプトーム解析の結果から推測されていた主要なペプチド系毒素のアミノ酸配列と完全に一致していた。また、ペプチドーム解析によってトランスクリプトーム解析から推測されていた、主要なペプチド系毒素のプロセッシング、C末端のアミド化、ホモ及びヘテロ2量体化などを確認することができた。さらに、トランスクリプトーム解析では見落とされていた3種類のペプチド系毒素(Pilosulin-like peptide)と、チラミン、ヒスタミン、イソロイシン、プロリンなどの低分子化合物を毒液中に検出することができた。ペプチド系毒素(Pilosulin-like peptide 1-6, ICK-like peptide 1-4)の神経毒活性を評価する目的で、アフリカツメガエル卵母細胞を用いた電気生理学的方法で、ペプチド系毒素のナトリウムチャネルに対する阻害活性を測定した。その結果、6種類のPilosulin-like peptideのうちPLP3, 4, 6は細胞膜破壊活性を示し、ナトリウムチャネル阻害活性を示さなかった。一方、組換え体で発現・精製したICK-like peptideの一部はハエ・ナトリウムチャネルに対して阻害活性を示した。Pachycondyla chinensisの毒腺のトランスクリプトーム解析を進めた結果、10種類のシステイン残基を含まないペプチド系毒素と、7種類(5種類のICK-like peptideを含む)のシステイン残基を含むペプチド系毒素を発見することができた。現在、2種類のシステイン残基を含まないペプチド系毒素を化学合成し、その抗菌性、溶血活性、ヒスタミン遊離活性、神経毒性を測定している。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 5件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
Revue suisse de zoologie
巻: 125 ページ: in press
巻: 125 ページ: 73-78
Toxins (Basel)
巻: 9 ページ: 1-15
10.3390/toxins9100323.
J Venom Anim Toxins Incl Trop Dis
巻: 23 ページ: 1-11
10.1186/s40409-017-0119-6.
Clinical Neuroscience
巻: 35 ページ: 1449-1452
Asian Myrmecology
巻: 9 ページ: 1-16
10.20362/am.009006
J Venom. Anim. Toxins incl. Trop. Dis
10.1186/s40409-017-0130-y.
ARI (Journal of the Myrmecological Society of Japan)
巻: 38 ページ: 1-11