本研究の目的は、半乾燥地域に生育する草原生態系における、秋季・冬季・春季の二酸化炭素の放出量とその放出メカニズムを明らかにすることである。2016年秋~2018年春にかけて、モンゴル国の草原におけるCO2フラックスの自動測定を実施した。その結果、土壌からのCO2の放出は秋から冬にかけて減少し、厳冬期にはゼロとなり、その後冬から春にかけて再び増大するという季節変化を示した。秋季・春季には二酸化炭素放出量は日中に増大し夜間に減少するという明らかな日変動を示し、地温の変動と高い相関を持ち、また土壌水分量の影響もうけることが示された。
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