• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実施状況報告書

植物病院および植物医師の社会的ニーズに関する基礎調査

研究課題

研究課題/領域番号 15K07824
研究機関東京大学

研究代表者

中山 万奈美  東京大学, 農学生命科学研究科, 研究員 (70523588)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードコミュニティ植物医師 / 植物保護 / 市民の社会参加 / 植物医師 / 植物病院
研究実績の概要

本年度は、コミュニティ植物医師を対象とした訓練プログラム受講後の意識変化に対するヒアリングと地域社会における行動変化に関する実態調査を実施した。

コミュニティ植物医師として活動を始めてからの意識については、大きく3つの変化が認められた。①新たに得た植物病に関する知識が社会貢献に繋がることを知り、植物栽培に関わる多方面の内容に関心を持つようになった、②定年退職後の地域デビューのきっかけとしての新たな手段を得た、③単なる趣味であった植物栽培が地域社会に役立つ存在として認識するきっかけとなり、新たな生きがいを発見できたとの回答を多く得た。このことから、シニア世代が新たな活動の場と知識を得たことで、生きがいの創出に繋がっていることが示唆された。さらに、受講前は植物の栽培経験年数に関わらず、植物病についての知識がほとんどなかったのに対し、教育プログラムの受講により、学習時間が増加し、植物病に関する知識が増加したとの回答が多く得られた。その結果、病名や対処法が分かる植物病が増え、植物病を発見する意欲が増加することで、植物病に対し自ら適切な対処を行える人材が増加したことが示された。

地域社会における行動変化では、訓練プログラムを受講することで、①自治体との連携を図りながら市内全域で活動を実施する自立的組織の創設や、②耕作放棄地等に共同圃場や共同庭園を整備することで農業支援や耕作放棄地の縮小削減に向けた試験的取り組みの実施、さらには、③地域イベントで自立的組織の活動内容を紹介するなど、多方面で新しい活動が創出されたことが明らかとなった。また、植物病の専門家との連携により定期的にコミュニティ植物病院を開催し、多くの一般市民から高い関心を寄せられるなど、地域社会における植物病院へのニーズが高まっていることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、コミュニティ植物医師の訓練プログラム受講後の意識と行動について調査を行った。教育プログラムの実施により、植物病に対し自ら適切な対処を行える人材が増加したことが示されたほか、コミュニティ植物医師の活動を介して、地域社会における植物病院へのニーズが高まっていることが明らかとなった。これにより、次年度以降に行う植物医師を対象とした調査に向けての基盤が構築できた。

今後の研究の推進方策

概ね計画通りに研究が進んでいることから、次年度は植物病抑止の専門家が抱える課題についての検討を行う。現場が抱える植物病抑止に関する課題や問題点についてのインタビュー調査を実施する。植物病院ならびに植物医師には、専門的な抑止の現場が抱える問題に対し、専門家を対象に、現場が現状と抱える問題点について実態を把握するための調査と考察を行う。また、海外における植物病院の設置状況や実施事例を調査し、今後の検討に役立てる。

次年度使用額が生じた理由

海外における植物病院の実態調査のため。

次年度使用額の使用計画

海外に設置されている植物病院について調査する。植物病防除の手法や運用システムなどを調査し、日本での取り組みとの比較検証に役立てる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 農家および法人における植物病対処実態調査2016

    • 著者名/発表者名
      根津修・福田一徳・濱本宏・橋本将典・中山万奈美・鍵和田聡・大島研郎・難波成任
    • 学会等名
      平成28年度日本植物病理学会大会
    • 発表場所
      岡山コンベンションセンター(岡山県・岡山市)
    • 年月日
      2016-03-21 – 2016-03-23

URL: 

公開日: 2017-01-06  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi