研究課題/領域番号 |
15K07832
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
武田 史朗 立命館大学, 理工学部, 教授 (20388119)
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研究分担者 |
山口 純 立命館大学, 立命館グローバル・イノベーション研究機構, 研究員 (20749684) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 自主管理型公共空地 / 管理運営 / 住民参加 / プレイスメイキング / ちびっこひろば / 運動誘導 |
研究実績の概要 |
自主管理型公共空地の管理運営支援のモデル構築を目指した活動を、京都市のちびっこひろば(CH)「壬生オアシスガーデン」を主な対象として実施し、活動成果や課題について地域外も対象に含んだアンケートやインタビューなどを通した調査分析を通して明らかにした。最終年度には、広場での活動で得られた理解を一般的な知見とするため、複数の広場における調査を元にした解析的研究を行った。多様な主体の参加による空間ビジョンの共有作業に関わり「空間の質」という概念の研究も行った。 管理運営支援の取り組みでは、特に後半期で地域住民から民間企業による運動教室を中心とするイベント参加費を回収した。運動教室を行う企業が回収した費用を充当して、芋掘り炊き出し大会など公益的イベントを展開した。イベント前後で体力測定やアンケート調査をした結果、地域住民の健康増進やCHの活用促進への寄与が確認できた。永続的な取り組みに向けて地域住民の参加者数の増加が課題として残った。 解析的研究では「コミュニティひろば」の利用状況と管理運営実態に関して8 カ所の広場管理主体などにインタビューを行い、整備状況の変化の現地調査を行った。1カ所の広場の周辺住民へのアンケートから管理運営への参加意欲を向上する要因を明らかにした。広場管理者ごとに主体性や外部利用者への態度で違いがある一方、半数の管理運営主体で管理運営の引き継ぎの課題が明らかになった。また管理運営への参加意欲は広場の利用経験者やイベントへの参加経験よりも、住民間のネットワークや 広場の認知度や理解度、イベントへの参加意欲が影響することがとわかった。 事業経営的な課題が一部残りつつも、民間企業が参入し魅力的なイベントを実施しながら地域住民が参加料を支払い、収益を公益的なイベントに還元するという方式での、民間活力を導入した持続可能性の高い自主運営・管理のモデルが示唆されたと考える。
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