平成30年度は、国内において、実際に雨水貯留を考えて設計・施工された屋上緑化の視察、および設計者に対するヒアリングを実施した。また、屋上、壁面緑化等により、先進的な雨水管理を進めているドイツ(ベルリン、ハンブルク)において、現地視察を実施した。 (1)国内 ・岡山を中心に活動する「非営利活動法人日本ゼリスケープ研究会(以下、JXDA)」に対して、ヒアリングと現地視察を実施した。岡山市に事務所を置くJXDAは、W社内に屋上緑化、雨水利用(雨水タンク、潅水設備を実践している。屋上緑化は、土壌を薄くした薄層型、粗放管理型の屋上である。過年度実施した研究において、10センチメートル程度の土壌厚に芝を植栽した屋上緑化モデルでも、十分雨水貯留効果を有しており、これを実践していた。雨水利用では、屋根に降った雨水をタンクに集め、ろ過し、潅水コンピュータと雨センサを組み合わせ、植栽エリア別に最適な潅水量を調節できる仕組み(システム)となっていた。 ・東京では、平成29年度に引き続き、G社に対して、ヒアリング、意見交換を行った。装置設置後、約3年が経過し、屋上緑化の状況も落ち着いていることがデータからも確認できた。分析については、本来、屋上リニューアル前のデータとの比較が必要であるが、事前に工事が進んだ状況で、データ取得を始めたため、比較するデータが取れていなかった。そこで、屋上リニューアル後のデータを丁寧に見て、真夏日を記録した期間から、代表的な値を用いて、屋上緑化による各種効果を表現すること、屋上緑化の有無を代表的な夏日、冬日で比較するだけではなく、年間を通じて、どのような効果があるのかを表現することをを提案した。 (2)海外 2018年度は、ドイツにおいて、雨水管理を進める屋上緑化、都市公園を視察した。
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