| 研究課題/領域番号 |
15K07860
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| 研究機関 | 九州大学 |
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研究代表者 |
森本 浩之 九州大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (20593867)
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| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| キーワード | 有機合成化学 / 不斉四置換炭素 / アミノ酸 / 触媒 / グリーンケミストリー |
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| 研究実績の概要 |
本研究では、医薬品や天然物などの生物活性物質合成において重要でありながら、依然として適用可能な方法論が限られている不斉四置換炭素構築を、高い原子効率・環境調和性にて実現する新たな手法の開拓を目的とする。
平成２７年度は、まず四置換炭素構築が可能なモデル基質を用いて触媒反応条件の探索を行い、反応系の確立を目指すこと、および、キラル酸・塩基触媒共存下での反応加速効果を確認し、適切な触媒の選択およびエナンチオ選択性の向上を目標とした。しかし、当初の研究実施計画で行う予定であった反応形式については、現在までのところ反応系の確立において十分な結果が得られていない。
一方、本研究の検討過程において、これまでの同様の反応において必須であった保護基を用いずともプロトン移動型の反応が進行し、不斉四置換炭素が構築可能となる新たな反応が見いだされた。本反応を活用することで、保護基の脱着を必要とせず、従来よりもさらに高い原子効率および反応効率にて無保護の不斉四置換炭素含有有機化合物の合成が可能となった。本反応は比較的安価な金属触媒で進行し、高い基質一般性・官能基許容性を示した。また、従来の触媒と比べて特異な化学選択性を示すことがわかり、従来の触媒では実現不可能な反応も実現することができた。さらに、初期的な検討の結果、不斉反応への適用も可能であることが判明し、医薬化学上重要な光学活性不斉四置換炭素含有有機化合物への展開も十分に期待できる結果が得られた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題においては、当初研究計画にて予定していた反応形式については、まだ十分な結果が得られておらず、改善の余地を残している。一方、本研究課題を検討する中で、当初の計画では予期していなかった新たな反応が見いだされ、これまでに例のほとんどない新たな環境調和型不斉四置換炭素構築反応となりうることが判明した。以上の結果を踏まえ、本研究課題はおおむね順調に進展していると判断した。
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| 今後の研究の推進方策 |
本研究課題の今後の推進方策については、まず本研究課題を検討する中で見いだされた新たな環境調和型不斉四置換炭素構築反応について、その検討を継続する。特に、見いだされた反応のエナンチオ選択的反応への展開や、連続不斉四置換炭素構築について、さまざまな触媒を検討し、不斉四置換炭素含有アミノ酸など種々の有用な化合物を高い立体選択性にて合成可能とすることを目標とする。また、当初の実験計画についても検討を続け、反応系の確立およびその立体選択的反応への展開を可能とできるよう努力したい。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
当初想定していたよりも安価な金属を触媒として用いることができ、試薬等の購入に必要な物品費の使用が抑えられたため。
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| 次年度使用額の使用計画 |
現在不斉反応への展開を検討しており、さまざまな光学活性配位子の合成に必要な試薬の購入に主に利用することを計画している。
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