近年、アポトーシスは癌や自己免疫疾患に深く関連していることが明らかになり、その役割や制御機構の解明が極めて重要視されている。ポルチミンは最近発見された天然有機化合物であり、アポトーシスを強力に誘導する。申請者は、ポルチミンがアポトーシスの研究のツールや癌の治療薬のシードになると期待し、その効率的な合成を目的に研究を行った。本天然物は、これまで全く例のない非常に特異な環状アセタール構造とスピロイミン構造を有する。種々の有機反応を駆使し、効率的に鍵中間体の合成に成功した。さらに、順次、保護基の除去と環化反応を行うことにより、本天然物のコア骨格の形成を行った。
|