パラジウムに対するリガンド効果を期待して、N,N-ジメチルアミノ基が装備された、入手容易なポリスチレン系陰イオン交換樹脂を担体とするパラジウム触媒(7% Pd/WA30)を開発した。7% Pd/WA30には期待通りのリガンド作用があることを明らかとするとともに、反応性が低い芳香族塩素化合物を用いた鈴木-宮浦反応の効率的手法を確立した。ヘテロ原子による触媒毒のため反応抑制が危惧されるヘテロ芳香族塩素化合物も問題なく適用することができる。反応液からはパラジウムの溶出は観測されておらず、金属の生成物への混入はなく、医薬品開発に直結するプロセス化学への本手法の適用が期待される。
|