アフリカトリパノソーマ症は原虫感染症であり、年間死者数は1万8千人に及び、新規薬剤の開発が望まれている。そのような背景の下、北里生命科学研究所において放線菌よりActinoallolide A が見出された。本物質は強い抗トリパノソーマ活性を示すことから、本研究では多様な類縁体合成が可能なActinoallolide A の全合成経路の確立に着手した。 最初にActinoallolide A の絶対立体配置を決定し、その収束的な合成を開始した。現在までにActinoallolide Aの全炭素骨格を有する鎖状中間体の合成を達成した。今後、本物質の全合成ルート構築と創薬研究の進行が期待される。
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