多くの生理活性物質中に見られる含窒素複素環化合物を標的化合物に設定し、キラルホスフィンを触媒とした(3+2)環化反応等に基づく不斉合成を検討した。その結果、[2.2]パラシクロファンを基本骨格とする面不斉ホスフィン-フェノール触媒を用いることにより、アレニルエステルとN-トシルアルジミンの環化反応が完璧な位置選択性かつ高いエナンチオ選択性で進行し、光学活性2,5-ジヒドロピロール誘導体を与えることを見出した。また、アレニルエステルまたはMBH付加体とメチレンインドリノンの環化反応において、上記触媒が高い位置および立体選択性でスピロオキシインドール化合物を与えることも明らかにした。
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