ヨード環化反応における求核部位の位置選択性は一般的にBaldwin則に従うのが通例である。従って、endo環化とexo環化が共に許容の場合には反応の制御が難しい。私はアルキンのヨード環化反応における環化様式を、配向基により制御する統一的手法を開発した。すなわち、endo環化の配向基としてアミド基が、exo環化の配向基としてシリル基が利用可能であることを明らかにした。更に、本研究過程において、アレナミドとアゾ化合物との[2+2]環化付加反応と、続く3-メチレン-4-アミド-1,2-ジアゼチジンのシリル求核剤による求核的開環反応を偶然発見した。
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