研究課題
本研究で作製したサブサイト-フラグメントデータベースと類似サブサイト検索プログラムFsubsiteを用いたin silico創薬手法を「フラグメントマッピング法」と名付け、この手法を蛋白質-蛋白質相互作用(PPI)界面の予測に適用し、複数の例でPPI界面を正しく予測することができた。 続いて、酵素阻害剤の探索に本手法を適用し、有用性を検証した。標的酵素としてはPAD4(Peptidyl Arginine Deiminase4) を用い、Fsubsiteとサブサイト-フラグメントデータベースを用いてPAD4タンパク質上に分子フラグメントをマッピングし、その配置パターンに基づいたバーチャルスクリーニングを行うことで、既存のPAD4阻害剤とは異なる骨格を有するPAD4阻害剤候補を探索した。その結果、阻害活性を有すると予想される化合物( in silicoヒット化合物)を複数選別することができた。さらに、この "in silicoフラグメントマッピング法" の創薬への応用研究として、EED-EZH2 タンパク質間相互作用(PPI)阻害剤の探索を行った。類似サブサイト検索プログラムFsubsiteとサブサイト-フラグメントデータベースを用いて、EED タンパク質上にフラグメントをマッピングし、その配置パターン情報を利用した3D-pharmacophore based virtual screeningによりEED-EZH2 PPI阻害剤候補化合物を17個選別した。この候補化合物を購入しアッセイを行ったところ、17個中5個の化合物が既存阻害剤と同等以上の阻害活性を示したことから、本手法のPPI阻害剤開発における有効性が明確に検証された。
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