研究課題
テトラゾラト架橋錯体を基盤とする創薬研究を行った。テトラゾ-ル5位に特定の置換基を導入した4つのテトラゾラト架橋錯体(SK36-39)について、マウスcolon-26大腸がんに対するin vivo抗腫瘍効果を調べたところ、SK36およびSK38が大腸がん治療薬であるオキサリプラチンよりも高い効果を発揮することを確認した。SK38に至っては、大腸がんの増殖をほぼ100%抑制することが分かった。また、一連のテトラゾラト架橋錯体が、DNAを高効率に凝縮させることによって遺伝子発現が抑制されるという、制がん白金錯体の新たな作用機序が確認された。さらに、DNA以外の標的分子の存在を示唆する成果が得られたことから、テトラゾラト架橋錯体の制がんメカニズムには複数の標的分子が関連していることが分かった。
2: おおむね順調に進展している
大腸がん移植マウスを用いたin vivo実験で、白金製剤オキサリプラチンよりも遙かに高い活性を発揮する化合物を見いだすことが出来た。また、作用機序の一端を解明することに成功した。最終年度は化合物と血清タンパクとの相互作用を検討する必要がある。
最終年度は大規模なin vivo実験を行い、一連の化合物の抗腫瘍効果と毒性を調査する。リード化合物を選定し、本格的な前臨床試験の準備を整える。
次年度にin vivo実験を行う際に、実験動物の副作用の指標として血球数を測定する装置を購入する必要があり、繰越金を動物用血球計数装置の購入の一部に充てたい。
動物用血球計数装置ベトスキャン HM II(ABAXIS)購入の一部に充てる。
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http://www.asahi-net.or.jp/~ij4s-kmd/publications/index.html