瞬目反射条件づけを学習系として、学習獲得および発現に対する覚醒状態の役割について解析を行なった。サルにおける実験では、覚醒レベルにかかわらず潜在学習が発現されたのに対し、マウスでは覚醒状態と瞬目反射条件づけの条件反射の発現の間に明瞭な相関関係があることが明らかとなった。また、周囲への知覚や注意の度合いが学習の獲得と発現に強く関連していることも示した。各種モデル動物をこの実験系に適応することにより、脳神経疾患を克服する治療戦略の開発に繋げる方法論の開発を試みた。この過程で、MGLやMDGA1, MDGA2などの機能分子の脳高次機能における生理機能を明らかにすることができた。
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