本研究では、医薬品の反応性代謝物の同定法であるグルタチオントラッピング法を改善すべく、フルオラス相互作用(パーフルオロアルキル鎖同士の特異な親和性)を利用する方法について開発を行った。本法において、反応性代謝物をグルタチオンによりトラップした後、オキサゾロン環を経由する反応によって、GSHがもつα-カルボン酸を選択的にフルオラスアミン試薬によって誘導体化した。得られた誘導体は、フルオラス相互作用によってLC-MS/MSにより選択的に分析され、また、その検出感度は未誘導体のものと比較して極めて優れたものであった。今後、本法を応用し、様々な医薬品反応性代謝物の同定に利用されることが期待される。
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