研究課題/領域番号 |
15K07912
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
岡崎 祥子 崇城大学, 薬学部, 講師 (40435152)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ニトロキシルラジカル / レドックス / in vivo ESR / MRI |
研究実績の概要 |
生体内の酸化還元(レドックス)バランスの崩壊は様々な疾患との関わりが指摘されている。このため、生体内レドックスの非侵襲的な測定は多様な疾患のメカニズム解明に重要な情報をもたらす。生体内レドックスの測定では低分子のニトロキシルラジカルをプローブとして用いており、動物に投与したプローブの体内におけるレドックス反応をin vivo ESRやMRIで測定し、生体内レドックス評価を行っている。しかし、従来のプローブは低分子であるため、動物へ投与後速やかに尿中に排泄されてしまい、腎障害が出るような疾患では健常モデルとの体内プローブ量の差が大きくなってしまう。このため、そのような疾患ではレドックスの評価が困難になるという問題点があった。そこで、本研究では、ニトロキシルラジカルで修飾したリポソームを作成し、プローブの生体内半減期を延長させることで問題点の解決を目指している。また、ニトロキシルラジカルで修飾したリポソームをガラクトースでさらに修飾することで肝集積性を増加させ、組織選択性の付加も試みている。 前年度まではニトロキシルラジカルで修飾したリポソーム作成のためにニトロキシルラジカルとリン脂質を結合させたDMPE-PROXYLの合成を行った。本年度は動物への投与を目指して、DMPE-PROXYLの大量合成を行い、MRIに於ける造影効果を従来のニトロキシルラジカルと比較した。その結果、DMPE-PROXYLの造影効果が従来のものよりやや高いことを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
熊本地震により、実験できない期間が生じた。また、使用機器の修理・点検などに時間を取られ、進捗に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
合成したDMPE-PROXYLを動物に投与してMRI造影効果・体内動態を検討する。 DMPE-PROXYLの血中に於ける安定性や血中濃度推移などを測定し、半減期延長効果を検討する。 ガラクトース修飾による肝集積性を検討する。 上記の実験と並行してDMPE-PROXYLの合成を引き続き行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
熊本地震により研究ができない期間があったことと、機器の修理や点検に時間がかかったので、実験に遅れが生じたため。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度は機器類も問題なく使用できているので、前年度の遅れを取り戻すように実験を行うため、合成用の試薬や動物、消耗品の購入に使用する。
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