研究課題
今年度は、腫瘍免疫において重要な役割をになっている細胞傷害性T細胞に着目して研究を行った。CD8T細胞においてOVA抗原に対するTCRを発現するOT-1マウス由来の脾細胞をIL-2、OVA-peptide存在下培養することにより活性化した細胞傷害性T細胞(CTL)を調整した。LysoPS受容体LPS2,2L,3の複数欠損マウス(TKOマウス)とOT-1マウスを交配したTKO/OT-1マウス由来のCTLはWT/OT-1マウス由来の細胞と比較して、活性化マーカーやサイトカイン産生について、大きな差は認められなかった。OVA抗原を発現するがん細胞(EG-7細胞)を担がんしたマウスにWT/OT-1マウスCTLを移植すると、腫瘍の縮小が認められたが、TKO/OT-1マウスCTL移植群ではその縮小効果がより大きかった。よって、CTL上のLysoPS受容体は通常腫瘍免疫を抑制していることが示唆され、LysoPS受容体アンタゴニストが創薬シーズとなることが期待される。
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J Med Chem.
巻: 59 ページ: 3750-3776
10.1021/acs.jmedchem.5b01925