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2015 年度 実施状況報告書

ポリアミンによる翻訳制御を介した細胞増殖・分化に関わる遺伝子発現制御の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K07921
研究機関千葉大学

研究代表者

西村 和洋  千葉大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (60302569)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードシャペロニン蛋白質 / Kruppel-like factor 4 / ヒスタミン
研究実績の概要

1. これまでにポリアミンにより翻訳制御を受けることが明らかとなっているCCT2蛋白質はシャペロニン複合体CCTのサブユニットの一つである。そこで、ポリアミン生合成阻害剤により細胞内ポリアミン量を低下させた場合、他のサブユニット量が変化するのかについてWestern blottingで調べた結果、CCT2を含む8つすべてのサブユニットが減少することを見出した。さらに、それらのいくつかのサブユニットのmRNA発現量をRT-PCRにて解析したところ、変化は見られなかった。このことからCCT2同様、ポリアミンによる翻訳制御を受ける可能性が示唆された。
2. ポリアミン生合成阻害剤存在下で分化誘導したBMMC(マウス骨髄由来マスト細胞)のヒスタミン及びポリアミン量をHPLCで素早く同時分析するために溶離液のpHを検討した結果、2時間の測定を30分に短縮することができた。
3. BMMCにおいて、ポリアミンよるヒスチジン脱炭酸酵素(HDC)の発現制御に関与することが示唆された転写因子Klf4(Kruppel-like factor 4)は、分化誘導時のポリアミン生合成阻害剤によりmRNA量は変化せず蛋白質量が減少することを明らかにした。
4. ポリアミン生合成阻害剤の有無による培養を行ったマウス乳がん由来FM3A細胞から翻訳状況の異なるmRNAを分離するために、ショ糖密度勾配遠心の条件検討を行った。その結果、翻訳状況を示すポリソームパターンを検出できる条件を決定することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ポリアミンによる翻訳制御を受ける可能性のある新しい蛋白質の候補も見出しており、研究は順調に進展している。しかし、Klf4遺伝子がポリアミンにより翻訳制御を受けるメカニズムを解析するためのリポーター遺伝子の作製が成功に至っていない。

今後の研究の推進方策

ポリアミンの有無より翻訳状況が異なるmRNAを分離し、網羅的に遺伝子の同定を進めることでポリアミンによる遺伝子発現制御の全体像を明らかにする。そして、同定された個々の遺伝子が制御を受けるメカニズムを分子レベルで解析していく。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2016 2015 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Toxic acrolein production due to Ca(2+) influx by the NMDA receptor during stroke.2016

    • 著者名/発表者名
      Nakamura M, Uemura T, Saiki R, Sakamoto A, Park H, Nishimura K, Terui Y, Toida T, Kashiwagi K, Igarashi K.
    • 雑誌名

      Atherosclerosis

      巻: 244 ページ: 131-137

    • DOI

      10.1016/j.atherosclerosis.2015.11.012

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Aggravation of brain infarction through an increase in acrolein production and a decrease in glutathione with aging.2016

    • 著者名/発表者名
      Uemura T, Watanabe K, Ishibashi M, Saiki R, Kuni K, Nishimura K, Toida T, Kashiwagi K, Igarashi K.
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun

      巻: 473 ページ: 630-635

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2016.03.137

    • 査読あり
  • [学会発表] 加齢による脳梗塞リスクの上昇には、ポリアミン代謝の活性化とグルタチオン合成の低下が関わる2016

    • 著者名/発表者名
      植村武史、渡辺健太、石橋美咲、斎木遼太郎、西村和洋、戸井田敏彦、五十嵐一衛
    • 学会等名
      日本薬学会第135年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2016-03-26 – 2016-03-29
  • [学会発表] マスト細胞におけるポリアミンのヒスタミン生合成抑制機構の解明2015

    • 著者名/発表者名
      水田俊男、西村和洋、芝山徹、田中智之、戸井田敏彦、五十嵐一衛
    • 学会等名
      BMB2015(第38回日本分子生物学会年会・第88回日本生化学会大会合同大会)
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド
    • 年月日
      2015-12-01 – 2015-12-04
  • [学会発表] 脳梗塞時のポリアミン代謝における加齢の影響2015

    • 著者名/発表者名
      渡辺健太、石橋美咲、斎木遼太郎、植村武史、西村和洋、戸井田敏彦、五十嵐一衛
    • 学会等名
      日本ポリアミン学会第7回年会
    • 発表場所
      京都工芸繊維大学
    • 年月日
      2015-11-13 – 2015-11-14
  • [学会発表] ポリアミンの生理作用とバイオマーカーへの展開2015

    • 著者名/発表者名
      西村和洋
    • 学会等名
      第9回次世代を担う若手医療薬科学シンポジウム
    • 発表場所
      千葉大学薬学部120周年記念講堂
    • 年月日
      2015-11-07 – 2015-11-08
    • 招待講演
  • [学会発表] Histamine synthesis is regulated by polyamines in mouse bone marrow derived mast cells2015

    • 著者名/発表者名
      Nishimura, K., Mizuta, T., Shibayama, T., Tanaka, S., Toida, T., and Igarashi, K.
    • 学会等名
      Gordon Research Conference on Polyamines
    • 発表場所
      Waterville Valley, NH, USA
    • 年月日
      2015-06-14 – 2015-06-19
  • [備考] 千葉大学大学院薬学研究院病態分析化学研究室

    • URL

      http://www.p.chiba-u.jp/lab/bunseki/index.html

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公開日: 2017-01-06  

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