本研究では出芽型組換えバキュロウイルスベクター(BV)に注目した。BVの大きなメリットとして、BV粒子のエンベロープに目的の膜タンパク質を発現させることが容易に可能であり、標的化遺伝子導入ベクターとしての応用が期待される。標的化分子の検索には、マラリア原虫には標的化に適した分子が多く存在することに着目した。肝細胞に高い親和性をもつCSPやTRAPを発現させたBVがヒト肝癌細胞(HepG2など)やヒト初代肝細胞PXB細胞において高い遺伝子導入効率を示すことを明らかにした。また補体制御因子の融合体を発現させることで、高い補体抵抗性をもつBVの作製に成功した。
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