α-シヌクレインはパーキンソン病の原因遺伝子として注目されており、神経細胞外にも存在することが知られていたが、その生理的・病理的意義は不明であった。今回の研究で、神経機能において重要な機能を担っていることが知られているS1P受容体とGタンパク質との共役を細胞外α-シヌクレインが阻害することが見いだされた。α-シヌクレインによる阻害作用はS1P1受容体に特異的なものであり、S1P2受容体とGタンパク質の共役は全く阻害されなかった。今回の結果は、今まで不明であった細胞外α-シヌクレインの特異的作用を初めて明らかにしたものであり、きわめて興味深いと考えられた。
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