研究実績の概要 |
前年度までに、繊毛小胞形成を制御することが知られているRab11-Rabin8-Rab8-Sec15カスケードに介在する分子をプロテオミクス法により探索し、低分子量GTP結合タンパク質であるRab11と相互作用する候補分子として新規低分子量GTP結合タンパク質であるpX2を同定した。また、免疫染色法により網膜色素上皮由来RPE1細胞においてpX2が一次繊毛の根元である中心小体に局在することを見出した。さらに、RPE1細胞を用いたpX2の発現抑制実験により、pX2が一次繊毛形成に必要であること、pX2が一次繊毛形成抑制タンパク質であるCP110の乖離に必要であることが示唆されていた。 今年度は、pX2とRab11の結合様式を詳細に解析した。pX2とRab11は共にGTP結合タンパク質であることから、両者の結合に対するグアニンヌクレオチド依存性を、HEK293T細胞を用いた免疫沈降実験により評価した。その結果、pX2、Rab11共に、特定のグアニンヌクレオチド型において結合能が高まることが示唆された。次に、両者が直接結合するかを調べるために、大腸菌発現系を用いてリコンビナントタンパク質の精製を試みたところ、pX2, Rab11共に純度の高い精製タンパク質が十分量得られた。現在は、これらの精製タンパク質を用いて、pX2とRab11が直接結合するか、またその結合に対するグアニンヌクレオチド依存性について評価している。
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