研究課題/領域番号 |
15K07941
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
小谷 典弘 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (90342782)
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研究分担者 |
本家 孝一 高知大学, 教育研究部医療学系基礎医学部門, 教授 (80190263)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 2分子会合体 / がん |
研究実績の概要 |
申請者らは、腫瘍細胞において特定の細胞膜上分子(増殖因子受容体等)が会合体を形成する現象について研究を進めてきた。これら分子会合体はシグナル伝達経路等を介して腫瘍細胞形質の発現に関与していると考えられ、創薬ターゲットとしての有用性が期待される。 本年度は、以下の2つについて研究を実施した。 1)前年度に引き続き、肺がん腫瘍特異的2分子会合体を探索し、さらに2-3個の2分子会合体候補を見出した。次に、これらの2分子会合体が実際に標的肺がん培養細胞に発現しているか精査した。さらに、ヒト肺がん患者から採取された肺がん組織片を用いて、上述の2分子会合体の発現を調査した結果、それらがヒトの肺がん細胞にも発現していることを突き止めた。当該2分子会合体の各分子の機能を阻害する薬剤を単剤および併用処理し、前年度構築した肺がん播種96wellプレートを用いたアッセイ系で2分子会合体情報によるin vitro細胞増殖阻害実験を実施した。その結果、ある種の2分子会合体情報を基に選択した阻害剤の組み合わせが細胞増殖阻害に有効であることが分かった。これらの薬剤について肺がんモデルマウスへの投与実験を試みたが、薬剤を投与するための水溶性緩衝液に溶解するステップに問題が生じた。 2)がん細胞から放出される細胞膜断片が上清に存在している可能性があり、それを肺がん細胞培養後の上清から精製し、そこに2分子会合体がそのままの構造で保たれているか検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2分子会合体がいくつか見つかり、in vitro系のアッセイがworkし、阻害効果の評価ができるようになったため。
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今後の研究の推進方策 |
in vitroアッセイ系で得られた情報をマウスを使ったin vivo実験に応用したいが、薬剤投与に問題がある。それを解決したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
in vitro実験における薬剤の溶解性の問題が生じ、実験がストップした。
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次年度使用額の使用計画 |
引き続きin vivo実験に使用する。
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