研究課題
(1) Truncated EBI3生成の意義その作用機序:ナーブCD4+T細胞を抗CD3抗体と抗CD28抗体で刺激するとEBI3発現が増強されるが、この刺激の際、プロテオソーム阻害剤を共存させておくと、分子量の若干小さいEBI3が発現され、リソソーム阻害剤ではそのような現象は見られなかった。これは、プロテオソーム阻害剤による小胞体ストレスにより、Caspaseが活性化されて切断された可能性が一番高いと考えられ、現在、さらに検討中である。(2) EBI3とIL-23R蛋白質発現の相関性とその意義:ヒトゲノムGWAS解析により、IL-23Rの遺伝子多型G149R、V362I、R381Q変異が、いずれもIL-23Rの蛋白質発現の安定性の低下により発現が低下し、炎症性腸疾患発症と負の相関がある。この内、G149Rだけが細胞外領域である。そこで、この変位を持つIL-23R変異体を作製したところ、この変異体へのEBI3の結合性が低下し、EBI3によるIL-23Rの発現増強効果も減弱することがわかった。つまり、この部位がEBI3の結合部位であり、ヒトの腸炎発症にも関与している可能性が示唆された。(3) EBI3が結合する他の分子の探索:我々は、EBI3が特に炎症時に、細胞分泌蛋白質および細胞膜蛋白質の発現増強と安定化に重要な役割を担っていることを一般化するため、EBI3が結合する分子について探索を行った。その結果、IL-23RやMHCクラスIの他に、gp130にも結合することがわかった。EBI3をHEK293T細胞に強制発現するとFACS解析によりEBI3の発現が細胞表面上に観察され、siRNAによりgp130発現を低下させると、EBI3の細胞表面発現も低下すること、再構成を用いた免疫沈降反応の解析によりEBI3とgp130が共沈することを見出した。現在さらに検討中である。
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