本研究では、死細胞による炎症応答がなぜ老化に伴って増強するのか、また老化マクロファージの貪食能が低下するのはなぜか調べた。死細胞とマクロファージを共培養したとき、炎症の指標であるMIP-2の産生が見られた。これは、マクロファージが IFN-γなどにより活性化したときにみられる現象である。また老化マウスは、炎症性マクロファージの指標であるCD40を発現しており、炎症性マクロファージは貪食能が低いことも分かった。これらの結果から、老化に伴ってマクロファージの貪食能が低下する原因として、マクロファージが老化に伴って恒常的に炎症性マクロファージに分化し、貪食能が損なわれていることが明らかとなった。
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