インフルエンザウイルス感染防御においてはウイルス特異的中和抗体が主要な役割を担う。感染を初期で収束させるには、ウイルスを認識するIgAを上気道に誘導することが重要であるが、その誘導機構は不明である。本研究により呼吸器官におけるインフルエンザウイルス特異的IgAの産生には、ウイルス増殖によって誘導されるIL-6やIFN-gが重要な働きを担っていることが明らかとなった。またIgG1産生において重要な機能を担っているTfh細胞や胚中心は、抗ウイルスIgA産生においては必須ではないことが明らかとなった。これらの結果は上気道へのIgA誘導型ワクチンの開発において重要な基礎的知見を与えるものである。
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