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2017 年度 実績報告書

シグマ受容体シャペロンによる細胞保護作用およびμ-受容体機能調節の機序解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K07977
研究機関星薬科大学

研究代表者

森 友久  星薬科大学, 薬学部, 教授 (40366331)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードBcl-2 / GSK-3β / Morphine / アポトーシス / Sigma-1受容体
研究実績の概要

昨年度、sigma-1受容体シャペロン (Sig-1R) とBcl-2はそれぞれ caspase-3 および GSK-3βを調節する事により細胞保護作用を発現していることを見出した。さらに機序を解析した結果、Bcl-2は主に小胞体に存在し、Sig-1Rは小胞体とミトコンドリアの結合部に存在していた。薬物によるストレス初期にはSig-1Rは小胞体へ細胞内移行し、一方で、Bcl-2はストレス後期にミトコンドリアに細胞内移行し細胞保護作用を示していた。ストレス後期では、Sig-1Rはもはや細胞保護作用を惹起していないのに対し、ストレス初期にGSK-3βを介して細胞保護作用発現していたBcl-2はストレス後期においてミトコンドリア移行し、caspase-3 依存的に細胞保護作用を示した。このようにBcl-2およびSig-1Rはそれぞれ時間依存的に、あるいはオルガネラ依存的に異なるアポトーシス関連タンパク質を調節して細胞保護作用を惹起していることを見出した。
さらに、モルヒネの長期処置に対するSig-1Rの細胞保護作用について検討を行った。Sig-1Rは、小胞体において細胞内増加することにより、細胞保護作用を示すとこが明らかとなった。一方、モルヒネの長期処置後に急激な休薬を行うと、細胞内増加したSig-1Rは、短時間に小胞体から核膜に細胞内移行し、この細胞内移行はSig-1R拮抗薬により完全に抑制された。動物において、同様な検討を行った所、モルヒネ休薬時に様々な退薬症候が認められ、これらの症候はSig-1R拮抗薬の前処置により完全に抑制され、Sig-1Rが退薬症候に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。
このようにSig-1Rは様々なストレスに対して、細胞内移動ならびに細胞内増加することにより適応し、細胞および体内のホメオスタシスに重要な役割をしていることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Sigma-1 receptor chaperone and Bcl-2 exerts cytoprotective effects against staurosporine-induced apoptosis through different pathways2017

    • 著者名/発表者名
      T. MORI, T. Suzuki, M. NARITA
    • 学会等名
      2017年度生命科学系学会合同年次大会

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公開日: 2018-12-17  

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