酸化ストレスと老化・寿命は密接に関わっており、細胞外レベル、細胞内レベルの抗酸化効果、および老化モデルの線虫(C. elegans)を用いた個体レベルにおける寿命への影響を評価する系を用いて天然由来の化合物の探索を開始した。抗酸化活性を示した生薬トウドクカツ(セリ科、Angelica pubescensの根)より7種のクマリン誘導体を単離し、これらの化合物には哺乳類の寿命遺伝子SIRT1を活性化することを見出した。また、漢方薬の抗老化作用の網羅的な解析の一環として、補剤やお血剤を中心に線虫を用いた抗老化効果の評価を開始し、これまでに補中益気湯が線虫の寿命を約20%延長することを確認した。
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