研究課題/領域番号 |
15K08005
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研究機関 | 星薬科大学 |
研究代表者 |
細江 智夫 星薬科大学, 薬学部, 教授 (10287849)
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研究分担者 |
武田 尚 星薬科大学, 薬学部, 助教 (60409357)
若菜 大悟 星薬科大学, 薬学部, 助教 (80700129)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 漢方薬 / 真菌 / 糸状菌 / 代謝産物 / 生薬 / 成分分析 / 生合成制御因子 |
研究実績の概要 |
項目①芍薬甘草湯のEmericella nidulans IFM60678株に対するsterigmatocystin (ST)の産生誘導能の詳細について検討した。芍薬甘草湯を構成する生薬2種(シャクヤクおよびカンゾウ)を添加培養した結果、シャクヤクエキス添加時に芍薬甘草湯と同様な STの産生を示した。また、ST非産生E. nidulans 26株に対してシャクヤクエキスの添加培養実験を行った結果、20株(78%)でST の産生が確認された。次に、ST産生誘導効果があった漢方薬の構成生薬のうち、汎用される生薬22種について添加培養実験を行った。その結果、11種の生薬にST産生が確認され、シャクヤク以外にもST産生を誘導する生薬の存在が明らかとなった。 項目②E. nidulans IFM60678株によるemericellin類の生産性が真武湯のグルコースよって大きく増加することを前年度報告した。今回、真武湯中のグルコースの由来の詳細を検討した。真武湯を構成する生薬5種(ブシ、ブクリョウ、ソウジュツ、ショウキョウ、シャクヤク)について添加培養した結果、ブクリョウエキス添加時に真武湯と同様な emericellinの産生を示した。次にブクリョウエキスを糖分析した結果、glucose が主成分であることが明らかとなった。 項目③STを中間体として相同遺伝子で生合成されるカビ毒aflatoxinsがある。ST生合成に関する情報収集の一環として、aflatoxin生産菌Aspergillus flavus 22株に対してシャクヤクエキスの添加培養実験を行った。その結果、ST および aflatoxins の産生は観測されず、シャクヤクエキスはA. flavus に対して、ST および AFs の産生誘導能がないことが明らかとなった。
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