研究課題
世界各地の伝承・伝統薬物資源から潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患の治療に有用な医薬シーズを探索することを目的とする.すなわち,炎症性腸疾患の活動期において観察されるTNF-αの過剰産生により惹起される各種臓器障害や炎症反応などの種々の生体内イベントを軽減あるいは調節できる天然由来低分子化合物を探索するとともに,その活性発現の必須構造や構造活性相関を明らかにする.加えて,その病変部に顕著な増加が認められているマクロファージや好中球などのiNOS陽性細胞の活性化抑制作用およびその作用機序解明研究についてもあわせて実施し,もって新たな炎症性腸疾患治療薬シーズを発見,提案することを目的とする.研究初年度である今年度は,タイ天然薬物のMammea siamensisや Melodorum fruticosum,香辛料として用いられるメース(Myristica fragrans,仮種皮),ハス(Nelumbo nucifera)花部,生薬センキュウ(Cnidium officinale)およびアロエなどの薬用資源からTNF-α感受性低減作用を有する有望素材をピックアップすることができ,かつ,その含有成分の探索研究について実施した.
2: おおむね順調に進展している
当初の計画どおり,研究初年度である平成27年度において種々の薬用資源からTNF-α感受性低減作用を有する有望素材をピックアップすることができ,かつ,その含有成分の探索研究について概ね順調な進捗がみられていると考える.
ピックアップされた候補素材の含有成分について活性評価し,その活性寄与成分を明らかにするとともに,iNOS発現至る細胞内シグナル伝達に及ぼす影響などを検討し,もって新たな炎症性腸疾患治療薬候補物質の提案に繋げたい.
すべて 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 謝辞記載あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (26件) (うち国際学会 6件) 備考 (1件)
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