研究課題/領域番号 |
15K08016
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
Kneller RobertW 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (20302797)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 医薬品開発 / バイオベンチャー / レギュラトリーサイエンス / 海外ネットワーク / 薬事承認 / 知的財産権 / 治験 / 特許 |
研究実績の概要 |
研究代表者は、2015年度は、海外ネットワークによる貢献の可能性が最も高いバイオベンチャーにつながる研究成果の特定を行い、この研究成果の支援を行った。具体的には、東京大学医科学研究所の清野宏氏と幸義和氏による肺炎球菌のワクチン開発に対して、海外ネットワークを構築する支援を行った。支援の形態は多岐に渡るが、特に海外の研究所との連携の可能性を探った。 実際の支援活動として、米国ニューヨークでForrest氏と臨床試験に関する打ち合わせ(2015年5月、2016年1月)、ワシントン州のゲイツ財団支援下のPATH研究所訪問(2015年5月)、カリフォルニア州スタンフォード大学のBlaschke氏のラボ訪問(2015年7月)、シカゴでアラバマ大学のBriles氏と打ち合わせ(2015年7月)、英国リバプール熱帯医学研究所訪問(2015年11月)、カリフォルニア州サンフランシスコのバイオベンチャー企業訪問(2016年1月)、同州サンディエゴのバイオ製品ラボ訪問(2016年1月)などを行った。 バイオベンチャー支援の最も重要な論点は経済支援であり、このために知的財産権の面でのサポートが重要である。代表者は清野氏、幸氏、Briles氏と共同で、特許の申請の準備を進めている。また、投資候補者と数十回に渡る打ち合わせを行った。資金調達と知的財産は密接な関係にあり、現時点では特許申請段階にあるため、資金調達も確定には至っていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2015年度は、海外ネットワークによる貢献の可能性が最も高いバイオベンチャーにつながる研究成果の特定を行い、この研究成果の支援を行った。東京大学医科学研究所の清野宏氏と幸義和氏による肺炎球菌のワクチン開発に対して、海外ネットワークを構築する支援を行った。特に海外の研究所との連携の可能性を探るために、米国ニューヨークでForrest氏と臨床試験に関する打ち合わせ(2015年5月、2016年1月)、ワシントン州のゲイツ財団支援下のPATH研究所訪問(2015年5月)、カリフォルニア州スタンフォード大学のBlaschke氏のラボ訪問(2015年7月)、シカゴでアラバマ大学のBriles氏と打ち合わせ(2015年7月)、英国リバプール熱帯医学研究所訪問(2015年11月)、カリフォルニア州サンフランシスコのバイオベンチャー企業訪問(2016年1月)、同州サンディエゴのバイオ製品ラボ訪問(2016年1月)などを行った。このうち、臨床試験に関する進捗は、Forrest氏との打ち合わせとリバプール熱帯医学研究所との打ち合わせを通して、順調に進んでいる。資金調達に関してもほぼ順調に進んでいるが、確定してはいない。前述したように、資金調達と知的財産は密接な関係にあり、現時点では特許申請段階にあるため、資金調達が確定していないのは、想定内である。
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今後の研究の推進方策 |
代表者は清野氏、幸氏、Briles氏と共同で、特許の申請の準備を進めている。申請の内容はほぼ固められているが、現在この出願に必要なデータを採集している段階であり、今後はこれを提出し、承認を待つことになる。知的財産による保護の見通しがついた段階で、会社を設立し、同時進行で資金調達を進める。特許の所有者は、東京大学及びアラバマ大学になるので、設立した会社にライセンス供与をすることになる。このような計画が進むことで、日本の大学からの研究成果を商業化するために、海外の研究所とのネットワークを構築することが有効であることを示す。本ケースが実際に成功することを示すことができれば、日本の大学の研究成果の開発のモデルの一つとして、海外ネットワークを活用するという形態をとるベンチャー企業が今後も続くことが期待できる。今後早い段階で同形態を希望する企業候補者が現れれば、その支援を行なっていく。
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