疾患組織近傍は、弱酸性になる、細胞膜の粘性が変化するなどの特有の環境変化が起こるため、疾患の診断や疾患治療薬の効率的な運搬に利用できる。我々は、こうした環境変化を検出する蛍光センサーの開発を行い、pH6付近の領域や、粘性変化を高感度に検出するセンサーの開発に成功した。さらに、これら分子の開発のためのソースとして天然物に着目し、新規性が高く、有用な機能を持つ分子の開発にも成功した。また、蛍光センサーとしての機能を別の光機能性分子群である光分解性保護基に適用する研究も行った。開発した疾患組織選択的に機能する光分解性保護基は、疾患組織選択的に治療薬を作用させる分子システムに応用できる。
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